読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

mu mu 360 のゲームライフ

ゲーム歴25年以上(ドラクエ3以来)。ゲームについてのブログです(旧Xbox公認ファンサイト)。Xbox One、Xbox360を中心にプレイしたゲームの感想を書いています。

「Z指定」ソフトの前途は?表現の多様化か。それとも萎縮か。

ゲーム全般
 
 以前も採りあげた(こちら)家庭用ゲームソフトの新レーティングが本日(5/31)からいよいよ施行されます。これにより、従来には無かった「Z指定」(18歳未満販売禁止)という新しい区分が出来ます。
 
 施行前日になって、ようやく業界団体(CESA)からの公式な情報が発表され、実体が明らかになりました(詳細は文章下の関連記事リンク先をご覧下さい)。
 
 
 既存タイトルで「Z指定」になったのは全11タイトル(14商品)。 CESAが発表した「旧18歳以上対象ソフト再審査結果一覧(PDF形式)」(こちら)を見る限りでは、「Z指定」についてはいわゆる「残虐表現」に重きを置いた審査基準となっているようです。
 
 一例を挙げると、「大人の娯楽作品」を謳い、日本の裏社会を舞台にしたPS2龍が如く」が新レーティングでは「D指定(17歳以上対象)」になっています(販売規制の対象にはなっていない)。
 
 このことからも分かるように「お色気」や「反社会的な倫理観」などには寛容で、あくまでゲーム中の「残虐行為」の表現の「残酷度」が「Z指定」の分かれ目となっているようです。
 
 CESAの担当者の発言でも「Z指定に関しては、"人体への無差別な殺傷"と"残虐な身体分離欠損"の有無が問題とされた」とあります(ファミ通.comの記事より)。
 
 これは昨今の少年犯罪への影響を指摘されている部分です。そういう意見や一部の自治体(県単位)で既に実施されている「GTA」「GTA VC」への「有害図書指定」を受けて業界が自主規制を迫られていたことへの対応と言えます。

 
 では実際に「Z指定」が導入されると、どう変わるのか。
 
 まず以前も書いたように「Z指定」のソフトのパッケージには「18未満販売禁止」が明記されます。
 
 販売店でも陳列方法に至るまで対応が徹底されます(文末に貼付した図を参照)。さらに、試遊台の設置やプロモーション映像の上映も自粛されるようです。
 
 
 昨日、主要コンビニは「Z指定」ソフトを取り扱わない方針を表明しました(ファミ通.comの記事参照)。
 
 ゲーム販売におけるコンビニ流通の割合はどの程度か分かりませんが、ゲーム販売店も閉まった後の時間の仕事帰りにコンビニに立ち寄る社会人も多いはず。販売数に影響無しとは言い切れないと思います。
 
 コンビニでは、酒、タバコ、成人向け雑誌など未成年への販売が規制されている商品も取り扱っていますが、これは「Z指定」に対する世間の見方の厳しさを示す一例と言えるかもしれません。
 
 ゲーム専門店以外の大手玩具店ショッピングセンターでの取り扱いの行方も気になります。
 
 
 また通販の対応はどうでしょうか?
 
 一例を挙げるとAmazonでは「Z指定」ソフトについてはクレジットカード決済のみ(年齢確認が出来る)で、代引きなどでは購入できないようになっています。
 
 一部通販では「コンビニ受け取り」というサービスもあり、一人暮らしで通販も利用しづらい人には「コンビニ受け取り」というのは意外と重宝してたのではと思うのですが、そういうのはどうなるのでしょうか。
 
 つまり、流通面ではかなりの規制を受けることになります。
 
 
 では広告宣伝はどうなるのでしょうか?これはまだ不透明です。
 
 ただTVCMは難しくなるでしょう。熱心なゲームユーザー以外にも広くアピールするための、マンガ雑誌や一般の週刊誌などへの広告の出稿はどうなるのか?
 
 さらに肝心のゲーム専門誌の記事でもその扱いがどう変わるのか?
 
 通常、ゲームは開発中から画面写真などの情報を小出しにして、ユーザーの注目を集めていきます。しかしレーティング審査は完成後でしょうから、「Z指定」になるおそれのあるゲームの情報をどう扱うのか
 
 現在のところはレーティングについては「審査予定」と表記されていますが、「Z指定」導入後もこの編集姿勢を続けるのでしょうか。
 
 各種ゲーム情報サイトでの扱いはどうなるのでしょうか?そんなことも考えると、画面写真もろくに出せないということもありえるかも知れません。
 
 そうなると 消費者にソフトの存在を認知してもらうのもままならないという事態もありえます。
 
 
 さらに既に一部自治体で「有害図書指定」されている「GTAⅢ」「GTA VC」の扱いはどう変わるのかも気になります。

 私は福岡県在住ですが、某中古書店(BOOK OFFみたいな店)にて、「GTAⅢ」「GTA VC」が「県指定有害図書」として、アダルトDVDなどが置かれているコーナーに一緒に陳列されているという悲しい光景を目撃しました。

 
 と、ここまで悲観的な観測ばかりを書いてきましたが、私は以前も書いたように、基本的に「Z指定」歓迎の立場です。
 
 
 表現の幅が広がることにより、日本のクリエイターがこれまで作りたくても作れなかったようなゲームを作れる地盤が出来るということ。
 
 そして、これまでは日本語版を出す際に表現を一部削除してきたような海外の人気作品が、そのままの形で楽しめる、また海外作品の日本語版発売も増える可能性があるということにメリットを感じるからです。
 
 
 「Z指定」ソフトの市場が定着するかどうかは、メーカーの姿勢業界の努力、そしてユーザーの支持が必要です。
 
 たしかに世間の目は厳しいかも知れません。「Z指定」に対して腰が引けてる販売店やメーカーもあるかと思いますが、ゲームが進化していくためには、いずれは通らなければならない道です。
 
 
 「Z指定」により表現が多様化するのか。それとも「Z指定」になることを嫌い、逆に表現を萎縮させてしまうのか。「Z指定」ソフトには流通面でハンデがありますが、メーカーには必要であれば「Z指定」で出すという勇気ある姿勢で臨んでいただきたいものです。
 
 
 さて既存のソフトの「Z指定」は決まりましたが、やはりこれから発売される最初の「Z指定」ソフトの売れ行きが、今後の行方を大きく左右するでしょう。おそらくそれはカプコンXBOX360版「デッド ライジング」になると私は思っています。
 
 私は「デッド ライジング」が「Z指定」で北米版と全く同じ内容で発売されたら、大いに評価しますし、もちろん購入します。ただ「Z指定」を避けて、表現を削除するようでしたら、海外版を購入するつもりです。
 
 
【関連記事】
CERO新レーティング5月31日から開始―「Z区分」ソフトは14商品(こちら)(ITmedia+D Games)
 
東京都庁で行われた協議会でZ指定ソフト11本が明らかに! (こちら)(ファミ通.com)
  
XBOX360版「デッド ライジング」公式サイトの日本版は
こちら、北米版はこちら
  (注;日本版と北米版で公式サイトの内容が異なります)