mu mu 360 のゲームライフ

ゲーム歴25年以上(ドラクエ3以来)。ゲームについてのブログです(旧Xbox公認ファンサイト)。Xbox One、Xbox360を中心にプレイしたゲームの感想を書いています。

4/20発売の「大神」「MOTHER3」「N3」は大注目!

 
3月末の新作ラッシュも終わり、ひと息つきたいところだが、右側の「期待しているゲーム」リストに書いてある通り、いよいよ4月20日には各プラットフォームから見逃せない(積みゲーにできない)注目の3本が発売される。
 
 
売上本数だけでなく作品の質でも日米逆転が言われ、北米市場が中心となりつつある家庭用ゲーム業界にあって、いずれも日本のクリエイターの底力を感じさせるであろう作品ばかり。
 
もし対応ハードをお持ちなら、ぜひ体感してもらいたい作品だ。と言うかいずれも「本体を買ってでもプレイして欲しい」作品である。
 

まずPS2の「大神(OKAMI)」。
 
カプコンから社内独立した開発会社クローバースタジオによる一作目。ジャンルとしてはアクションRPGになる。

最近、よく使われる「PS2でここまでのグラフィックが実現できるとは」というフレーズに収まりきらないグラフィックと世界観を持つ一本。
 
その墨絵風の純和風グラフィックは、たしかに一見の価値アリ
 
リアルさの追求ではハード性能的にXBOX360にはかなわないが、アイデアとセンスと技術力で、こういった見せ方も出来るというまさに職人芸の世界
 
詳しいストーリーへの言及は避けるが、日本の神話・昔話の世界を舞台に、「筆しらべ」など独自のシステムや、サブイベントも含めて凄まじい作り込みが成されているようだ。
 
 
ゲームのムービーをひと目見て「この世界で、キャラクターを自由に動かしたい!」と思わされたのは久し振りである。
 
ぜひムービーだけでも一度は見てほしい(ゲームの映像集はこちらで公開中、「店頭プロモーション映像」がオススメ!)。
 

次にGBAの「MOTHER3」。
 
かつてニンテンドー64DD用として開発され、画面写真も出されたが、ハードである64DDの不振のあおりを喰らって、一度はお蔵入りとなってしまった。
 
しかし根強いファンの後押しもあって、このたびGBA用ソフトとして完全新作が登場。

 
GBA用ということで、グラフィックに大きな進化は無い。しかし「MOTHER」の一番の魅力は、シナリオと世界観から漂う雰囲気にある。他のどの作品にも無い独自の味わいは今作でも健在のようだ。
 
それに次世代機も登場した今の時代に発売されるにあたって、GBAのグラフィックは程良いレトロ感もあって、作品の雰囲気に良く合っているのではないか。
 
GCで中途半端にポリゴン使うよりはGBAでよかったと思う。
 
またGC用ではなく、GBA用となったことで、ニンテンドーDSを含む圧倒的な普及台数の任天堂の各種携帯ハード全てでプレイ可能になった。
 
これにより購入者層のパイが大きく広がり、発売本数に大いに寄与する。この3本の中では売上本数はダントツになるだろう。
 
 
TVCMも相変わらず上手い。「MOTHER」と言えば、かつての木村拓也の「大人も、子供も、オネェサンも」というCMコピーが思い出させるが、今回は柴咲コウを起用し、「MOTHER3」の物語の感想を語らせている。
 
柴咲コウと言えば、あの「世界の中心で愛を叫ぶ」ブームの立役者の一人と言われている。
 
彼女が書評で絶賛した文章が原作小説の帯に採用されたことで、人気が一気に加速し、小説本として異例の百万部を突破し、映画化・TV化と「セカチュー」現象につながった。
 
そんな若者、特に女性への影響力が大きい柴咲コウが物語の魅力を語り、思わず涙まで流すCM。
 
 
ゲームと言うよりは、小説や映画と並ぶ魅力ある物語としての「MOTHER3」を印象付けている。(CM動画はこちらで公開中!)
 
宇多田ヒカルニンテンドーDS)に始まり、妻夫木聡ほか数名(GBAミクロ)、松嶋菜々子もっと脳トレ)の起用と、最近の任天堂のCM戦略は絶妙である。ただ有名人を起用するだけでなく、その使い方が上手いのだ
 
 
 
本来、XBOX360本体と同時発売で、その圧倒的なマシンパワーを世間に知らしめる広告塔としての役割を負わされていたソフト。
 
しかしそれだけの使命を背負わされたにしては、その開発環境(特にマイクロソフトからのサポート)は、必ずしも恵まれたものではなかったようだ。
 
そのことは以前、TBS系の「ニュース23」で放送された密着取材を見れば明らかだ。発売延期を決断した水口氏の苦渋の表情は忘れられない。
 
 
発売日が4月20日に延期されてからも、開発は時間との戦いだったようで、XBOX Live未対応など、水口氏の当初の構想の70%程度しか実現できなかったという。
 
芸術作品である前に、商品であるゲームソフトの定めで致し方ない部分ではあるが。
 
 
ただ「9.11同時テロ」に触発されて考えたストーリーは、ゲームプレイを通して非常に考えさせられるものらしい。
 
その一方でゲームとしての爽快感を追求した操作感覚、グラフィック面では「真・三国無双」を凌駕する大軍勢のわらわら感など、見どころ満載。
 
メッセージ性とゲーム性の両立がどこまで果たされているか、非常に楽しみである。
 
 
そしてハードメーカーであるアメリカのマイクロソフトとのやりとり、韓国の開発スタジオとの共同作業など、自己の目指す作品の実現に向けて、言葉の壁を越え、世界の優秀な技術者と渡り合っていく水口氏の努力、苦悩の姿。
 
それは本格的な次世代機時代の到来、世界市場を視野に入れたソフト制作の必要性を踏まえ、これからの日本人クリエイターの目指すべきスタイルの一つのお手本となるものだろう。
 

ちなみに「ファミ通」のクロスレビューでは「MOTHER3」が堂々のプラチナ殿堂入り。そして「大神」もプラチナ殿堂入りを果たした。
 
N3」は惜しくもシルバー殿堂止まり。しかし「N3」についてはレビュアーがどのバージョンでプレイしての評価であるかが重要。

実は店頭で配布された体験版は非常に完成度の低い段階のもので、マスターアップ直前には別物と言えるほどに完成度が上がったとの開発者インタビューもある(こちら)。仕上がりのほどは、実際にプレイして自分自身で確かめるしかない。
 
 
ハードの機種に関係なく「良いものは良い」と認めることのできる上記の3本の発売日がバッティングしてしまったが、お互いを食い合うのではなく、相乗効果を発揮して、日本のゲーム業界全体を盛り上げてくれれば良いなと思う。
 
 
ただ、XBOX360がメインハードの立場から言わせてもらうと、本体発売のときは社会現象になったニンテンドーDS旋風に吹き飛ばされ、期待の「N3」は、強力タイトル「MOTHER3」と発売日がバッティングしてしまうとは
 
日本市場でのXBOX360の天敵は、SONYでは無く任天堂だったとつくづく実感した次第ということを付け加えさせて頂く。